医療業界について

医師の求人を探している方にとって、医療業界とはどんな業界なのか知っておきたいものですよね。

現在医療業界では「医療従事者の労働時間の長時間化」が注目され始めてきていると言われています。
近年行われた医療従事者の働き方に関するある意識調査によれば、例えば勤務医の場合、1週間平均の労働時間はオンコールや当直の待機の時間込みでは、アメリカの平均時間よりも長く、フランスやドイツの場合はアメリカよりさらに短くなっているとの結果がでているそうです。
我慢を美徳とする習慣が残る日本では、人命を救助するという名誉ある行為のもとに、長い間医師の長時間勤務が問題とされることはありませんでしたが、近年ようやく医療業界にも長時間勤務が「継続的な職務環境上不適切である」とする流れが出てきました。医師の残業代の未払いをめぐる裁判では「医師の残業代は年俸には含まれない」との判決が出たり、行政による病院施設への立ち入り調査が行われた例も出てきました。
これらからもわかるようにようやく行政も医療業界の労働時間の適正化に重い腰を上げ始めています。
しかし現場の現状として、深刻な高齢化によって医療機関を訪れる患者数は増加する一途です。
業務量の母数はこれからも増えることは避けられません。今後いよいよ団塊世代が後期高齢者になるタイミングも目前となり、医師の勤務時間の軽減は、今後の病院経営において差し迫った重要な課題の一つとして表面化してきているようです。

現在医療関連に携わる私の下には、医師の労働の長時間化是正に関する様々な相談が寄せられてきています。一時期は現場に身を置き、医療機関の外部顧問などに携わってきた経験から言えるのは、医師の長時間勤務を根本的に打開するには看護師への業務分担と看護の分業化の導入は避けては通れない課題だということです。

近年、医療の技術の発展に伴って多くの看護師の業務効率をICT(Information Communication Technology)の有効活用によって改善できるようになってきました。そこで、元々の業務負担が分業化によって軽減されつつある看護師に、医師の業務の一部をスライドさせることで、ようやく医療関係者の業務構造を根本的に最適化し、労働時間も健全化させることが可能になってきたのです。
例えば、医師の働き方を議論する厚生労働省の有識者会議では、草案として、「検査や入院の際の事前説明。静脈からの採血、注射。診断書の入力代行などの業務は原則、医師以外の看護師等が分担する」という方針を推奨し始めています。つまりやはり医師の労働時間の長時間化是正には看護の分業化が最も具体的な検討課題とも言えるのです。